期間工から正社員になるメリット・デメリット。いい事ばかりじゃないので要検討です

期間工として働いていると「正社員にならないか?」とお誘いを受ける事があります。

昨今は、少子高齢化による人手不足+好景気の影響で、期間工からの正社員登用数は過去最大級になっています。

トヨタ自動車をはじめ、アイシンAW、スバル、日産など大手自動車メーカーは、期間工を積極的に正社員にしています。

正社員になると、雇用も安定するし退職金もあるから将来安泰では!? と思うかもしれません。

しかし、実は期間工から正社員になる事で発生する『デメリット』もあります。

今回は期間工と正社員の待遇を比較して、メリット・デメリットをまとめて紹介します。

期間工から正社員になるメリット

雇用が安定する

期間工から正社員になる最大のメリットは、やはり雇用がグッと安定する事です。

期間工は景気がよく猫の手も借りたい状況なら、仕事に困る事はありませんし給料もガンガン上がります。

しかし、不景気になると途端に仕事がなくなり、派遣切りや採用取りやめなどが相次ぎます。

期間工は契約社員ですから、正社員と違って簡単に会社都合でクビに出来ます。

期間工は短期で気軽に辞められる反面、会社も簡単に辞めさせる事が出来るのです。

その点、正社員は簡単にクビには出来ないですし、会社はしっかり正社員の雇用を守ります。

業績悪化によってボーナスが減額される等のペナルティはあれど、クビにはなりません。

不景気の時、期間工は仕事にあぶれ無収入。

正社員はボーナスカットとは言え、しっかり毎月のお給料は貰えるのですから、いつ訪れるか分からない不況に怯える心配がなくなりますね。

2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災。それに伴う円高で自動車会社の業績が最悪だった時は、期間工の派遣切りや採用取りやめが相次ぎました。

こういった雇用の不安定さから解放されるのが、正社員の強みですね。

昇給があるから、給料が年と共に上がる

期間工の給料は、基本的に『メーカーの30代前半の給与』あたりに設定されています。

そのため、未経験の素人でも、年収400万以上稼げる訳ですが、それ以上の給料を求めるなら正社員にならないと難しいです。

大手自動車メーカーであれば、入社10年目あたりで年収は600万を超えます。

肩書きがつけば年収700万~800万に届きます。

もちろん、新卒で入った幹部候補に比べると期間工あがりの正社員は出世スピードが遅いですが、それでも一流企業ゆえに年収は最終的に1000万近くまで上昇します。

一方、期間工は何年やっても年収500万は超えられません。

正社員なら、コツコツ勤続年数を積み上げることで、期間工を超える給料を稼ぐ事が出来ます。

期間工の場合、年と共に体力的にキツくなっていきますが、正社員なら同じきつさでも、年相応の給料が稼げるのですから、長い目で見れば正社員のほうが稼げます。

社会的な信頼を得られる

期間工は、どんなに稼いでも「雇用が不安定な契約社員」と見なされます。

結婚を考えた時、彼女の親族などに「え? 正社員じゃないの?」という目で見られますし、住宅ローンも組みにくいです。

やはり、雇用が安定した正社員の方が社会では信用されます。期間工はあくまで「不安定な職の人」「フリーター」扱いです。

期間工というのは単純作業が多く、大工や職人のように手に職の仕事ではありませんから、そういう扱いになってしまうのは仕方ないのかもしれません。

若い時は、特に不便を感じないかもしれませんが、年を取った時に年相応の社会的信頼がないと、ちょっと気分悪いですね。

正社員、しかも大手自動車メーカーの正社員なら、社会的信頼は抜群ですから、住宅ローンも有利な条件で組めますし、結婚する時も安心です。

期間工から正社員になるデメリット

給料が下がる

期間工から正社員になると、間違いなく給料は下がります。

というのも、期間工は『30代前半の給与』ベースで年収が定められていますが、正社員になると下っ端からのスタートになるので『20代前半の給与』がベースになり、年収は50万~100万近く下がってしまいます。

期間工と正社員の比較において、最もデメリットになるのが、この給与低下ですね。

年収が450万→350万になったら、いきなり年間100万マイナスなので、家計の見直しをせざるを得ません。

もちろん、勤続年数を重ねて昇給していけば、4~5年ほどで期間工と給与水準は並びますが、期間工と同じくらい稼げる…と見積もっていると痛い目にあいます。

家族持ち・子持ちの人は、特に給与低下によって家計の見直しを強いられるでしょう。

期間工なら4年で1000万貯金できますが、正社員ですと6年くらいかかるかもしれません。

期間工で貯金1000万貯めるまでのコツや詳細はこちら。

・期間工で貯金1000万貯めるまでの期間は4年。詳細と貯金のコツを教える

期間工あがりの正社員の立場は弱い

期間工は、あくまで外部の人間ですから、組織において上も下もあまり関係ありません。

しかし、一度正社員になると、組織の中の最底辺に置かれるので、上司からあれこれ面倒事を頼まれたり、下っ端ならではのきつさを実感する可能性があります。

大企業の正社員といってもピンキリで、神みたいに優しい人もいれば「どうやってこいつは正社員になったんだ?」と不思議に思うくらいのクズもいます。

特に厄介なのが、やる気のない窓際族。

大企業の正社員ともなると、簡単にクビを切られないので、仕事のやる気がない窓際族も大勢います。

そんな、やる気のない上司にあごでつかわれたらムカつきますよね。

しかし、組織の序列は勤続年数で決まる縦社会ですから、下っ端は逆らえないという理不尽な現実があります。

また期間工あがりですと、新卒組から下に見られる事もあります。

そういう差別的な見方をする人は、大抵うだつのあがらないオッサンなのですが、そういうオッサンと同じ班になってしまうリスクがあります。

正社員は簡単に辞められない

期間工であれば、上記のような鬱陶しいオッサンと組まされても「次の契約更新でやめればいっか」と簡単に職場リセットが出来ますが、正社員はそうはいきません。

正社員は雇用が安定してる分、簡単に辞めにくい…というキツさがあります。

正社員を短期で辞めると、次の就職活動では必ず不利になります。

最低でも3年は勤めたい所ですが、人間関係が悪かったりすると、3年は非常に長く感じます。

「せっかく正社員になったのに、簡単に辞めて良いのか? もったいなくない?」

という心理も働いて、ストレスフルな職場に身をおいてしまう…

こうなると、人生の満足度はかなり下がります。

期間工なら「どうせ短期の期間工だし」とサッサと逃げれますが、正社員になると割り切るのが難しくなります。

簡単に職場を離れられる身軽さは、期間工ならではの強みですね。

責任の重い仕事を任される

期間工は、ぶっちゃけ大した仕事をまかされません。
誰でも出来る仕事だけを淡々とこなしていれば良いので、気楽です。

一方、正社員は重要な仕事・責任の重い仕事を任されるので、プレッシャーが違います。

ひとたびミスをすれば、会社に大損害を与えてしまう…という緊張感が出ます。

責任を背負うというのは、正社員でれば当然の話なんですが、これがキツい人にとっては超キツいんですよね。

失敗すれば職場の人全員に迷惑がかかりますし、怒られたり無能扱いされてしまう事もあります。

期間工は「じゃあ辞めるわw」と気軽に逃げられる立場なので、会社も重い仕事は振りませんが、正社員は逃げられない分、コアな仕事を投げられます。

責任感が強く、プレッシャーで鬱病になってしまったら最悪ですよ。

まとめ:正社員は良い事ばかりじゃない。慎重な判断をしよう

以上、期間工から正社員になるメリット・デメリットでした。

ネットの意見を見ていると「期間工より正社員の方がいいよ!」という声が多いですが、正社員も良し悪しです。

人によっては、正社員にならず期間工のまま渡り歩いたほうが「背負う荷物が軽くていい」と感じるかもしれません。

ただ、将来的に安定した生活をしたい人や、結婚を考えている人などは、正社員の方が満足度が高いかもしれませんね。

なんにせよ、正社員登用の道は好景気の現在、広く開かれているので、しっかり考えてチャンスがあるうちに決断しましょう。

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