飲食店を開業して失敗する人の特徴3つ

「地元で飲食店を開業したい!」という人は多いですが、実は飲食店を開業するというのは、非常に難しい事です。

開業する事自体は簡単で、銀行に相談してお金を融資してもらって、不動産屋で店舗を見つけて借りて、あとは機材やらメニューやら整えれば完成。

開店すれば見事あなたは飲食店のオーナーです。

しかし、本当の地獄はそこからで、お店が軌道に乗って黒字になるか否かは、本人の経営手腕次第です。

地方都市であれば人口が少ないので、いかに固定客を確保できるかが勝負ですし、都心であれば人口は多いですが家賃がべらぼうに高いので並の売上では黒字になりません。しかもライバルが多いので競争も激しいです。

居酒屋、たいやき屋、パン屋、カフェ、弁当の移動販売…

飲食店のスタイルは様々ありますが、実は飲食店開業で失敗する人のパターンや特徴は決まっています。

今回は、飲食店の開業を考えているけど不安な人向けに『飲食店を開業して失敗する人の特徴』を紹介します。

自己資金が無いのに出店する

飲食店開業で、元も代表的な失敗パターンがこれです。

飲食店は、開業するのに初期費用として安くても300万~500万はかかります。内装にこだわったりすると1000万近くになるケースも多いです。

居抜き物件を借りたり、移動販売にする等、出店費用を節約する方法はありますが、自己資金が0円ですと、すべて借金でまかなう必要があります。

銀行に融資を頼めば300万~500万くらいは借金出来ますが、当然、利子はつきますし毎月の返済も必要になります。

自己資金ゼロで飲食店を開業するデメリットは、何と言っても『上手くいかなかった時に撤退出来ない』という点でしょう。

自己資金で経営しているなら、予想以上に上手くいかなかった時にサッと撤退して仕切り直しが出来ますが、銀行からお金を借りてしまった場合、返済するためにも何とか経営を続けていかないと…という心理が働きます。

借金がある状態で店を畳めば、借金だけが残ってしまいます。

自己破産をすればチャラになりますが、もし住宅ローンを借りてマイホームを購入していれば、マイホームは差し押さえになり家を失います。

奨学金がある場合は、自己破産をした瞬間に保証人(親や親戚)に請求がいきます。

こういった借金へのプレッシャーから

「もう後戻りはできない、経営を頑張って黒字にするしか無い」

という状況に追い込まれてしまうのです。

しかし、飲食店の経営は、実際にやってみないと何が必要で何が不足しているのか、わからないものです。

例えば立地が最悪だった場合、店は動かせませんから、相当頑張らないと売上は上がらないでしょう。

そもそも料理がマズい場合は、料理の修行・レシピ研究を行う時間が必要です。

自己資金なら「一旦、撤退して、失敗した理由を分析して出直そう」という判断が出来ますが、借金をしていると撤退不可能。クビをくくるまで赤字操業…なんて恐ろしい事になってしまいます。

人は何かを始める時、必ず『成功するイメージ』しか持っていません。

そのため失敗した時にどうリカバリー(回復)するか、という点についておなざりになってしまいがちです。

借金をすると、更にリカバリーの手段が減ってしまいますから、自己資金ゼロでの開業はオススメ出来ません。

ちなみに借金の返済が遅れると、銀行員もプレッシャーをかけてきます。

銀行員は血も涙もないですから、怖いですよ。銀行融資は、うまく使えば一気に経営を拡大出来ますが、失敗した時は鬼と化しますのでご用心を…。

自己資金は最低でも200万~300万あると、銀行に頼らない or 少額融資で済むので、だいぶ余裕が出てきますよ。

住み込みの期間工バイトなら1年で貯まります。期間工でお金をためて、飲食店を開業する人も多いですよ。

詳しくは下記の記事をどうぞ。

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料理が出来ないのに飲食店で勝負する

飲食を商売にする場合、当然ですが勝負どころは商品の魅力…つまり料理の美味しさ・クオリティが鍵になります。

例えば、パン屋であればお客さんはスーパー売ってるパンでは実現できない、美味しい焼きたてのパンを求めています。

しかし、もし店主がパン作りの素人で、家庭でも作れるレベルのパンしか作れなかった場合はどうなるでしょうか?

当然ですが、家でも作れるレベルの味のパンを、わざわざパン屋にいって買う客はいません。スーパーで買い物ついでに買います。

残念ながら、パン屋にかぎらず居酒屋、カフェといった業種でも『料理が出来ないのに飲食店を経営する』という人はいます。

料理担当の人を雇うならともかく、本人が料理するのにスキルが無い…というのでは、お話になりません。

たまに地方に行くと見かける『マズい個人店』。要するに、あれですね。

商品(料理)に魅力がなければ、どんなに立地が良くても客は入りません。

良い口コミはすぐ広がりますが、悪い口コミはもっと早く広がります。

なぜ料理ができないのに飲食店を開業するのか。

「簡単だと思った」
「とにかくサラリーマンを辞めたい」
「友達がやってるから俺にも出来そう」

冗談ではなく、本当にこのレベルの理由で参入してくる人がいます。

当然、1年もたずに潰れていますが…。

料理のスキルが無くても成功するのは、場としての価値があるカフェや、器具を使えば誰でもそれなりの味になる、たい焼きやクレープといった食べ物だけです。

料理が出来ないなら飲食やるな! といっている訳ではありません。

たいやき屋、クレープ屋なんかは料理スキルよりもマーケティングや経営の腕による所が大きいですからね。

ただ「開業してから料理を勉強する!」なんて甘い考えで、味勝負の居酒屋やパン屋を開業するのはやめましょう。

金をドブに捨てるようなものです。

自分で料理をするなら「あなたのことを知らない第三者が、本当にお金を払ってまで食べたい味を出せるか?」という事をしっかり確認してから挑みましょう。

お金の計算を『どんぶり勘定』で開業する

自営業になったら、必ず必要なスキルがお金回りの知識・計算です。

自営業になると税金を自分で計算しなければいけませんし、仕入れ・客単価・キャッシュフローなど、とにかくお金の出入りを把握しなければ、儲かってるのか損してるのかすら分かりません。

経営というのはシンプルで、出て行くお金より入ってくるお金を多くすれば良いだけ。

しかし、飲食店をやると経営もやらなきゃ、接客もやらなきゃでお金の計算がどんぶり勘定になってしまうケースも多いです。

明らかに今の売上に対して家賃が高すぎるのに『赤字なのは客単価が低いせいだ!テーブルチャージをのせよう!』なんてアホな経営判断をしてしまうようでは、閉店は秒読みですね。

料理や接客は得意だけど、お金の計算が苦手…という人は多いですが、飲食店を開業するということは経営者になるという事ですから、逃げずにしっかりお金の回りを計算して把握できるように勉強しましょう。

どんぶり勘定でスタートしてしまうと

「開業費用が予想以上にかかって、追加融資が必要になった」
「値段設定を間違えて、どんなに売っても赤字になる」

なんて悲劇につながります。

事前に開業にはいくら必要なのか、いくら売上を立てれば黒字になるのか、数字に落とし込んでから動きましょう。

まとめ:飲食店の開業をするなら自己資金を大目に持っておくべし

はじめて飲食店を開業する場合、何もかも初めてですから、やってみてから分かる事も多いですよね。

破産・早期閉店といった失敗を避けるためには、必ず自己資金を大目に用意して想定外に備えておくべきです。できれば、無借金での開業が望ましいですね。

300万前後の貯金があれば、だいぶ余裕を持って動けます。

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最初はなるべく規模の小さい店から初めて、徐々に経験を積んでから拡大するのが最もオススメです。

後は、本を読んで勉強してから始める事!
飲食店の開業であれば、下記の本が入門としておすすめです。

他にも、会計の本や税金の本など、必要な参考書はしっかり読んでおきましょう。

赤字になってお金を失っても、経験と知識は残りますから、最初は細く長く続けるつもりでゆっくり経営者として成長していきましょう。

あと、間違っても安易に「フランチャイズ」に逃げないように。
コンビニのフランチャイズなどに参加すると、1000万以上の借金を背負うことになりますからね。

「好調」コンビニに“異変”あり NHKクローズアップ現代より

NHKでも取り上げられるほどキツいですから、くれぐれもご用心を!