期間工は正社員ではありませんが、フルタイム勤務になるので社会保険に加入する事になります。
社会保険とは、厚生年金や会社の健康保険などですね。
その中に『雇用保険』という物が組み込まれており、ある条件を満たすと期間工を退職後、失業保険をもらう事が出来ます。
失業保険とは、簡単に言うと
『仕事を辞めた後、前職の給料の6割~7割を3ヶ月間タダで貰える制度』
です。
期間工を辞めて無職になったのに、給料の6割~7割を3ヶ月も貰えるなんて、とんでもなく恵まれた制度ですよね。
もちろん受給するにあたって条件や制限はありますが、期間工なら条件もゆるく貰いやすいです。
しかし、悲しい事に、この失業保険は申請しないと1円も貰えません。
失業保険を受給する条件はいくつかありますが、期間工なら契約途中でバックレない限り、かなりの確率で失業保険をもらえるので、必ず事前にチェックしておきましょう。
今回は、期間工が失業保険をもらう方法を詳しく紹介します。
目次
失業保険を受け取るための条件まとめ
まずは失業保険を受給するための条件を見てみましょう。
条件を満たせていないと1円も貰えないので、必ずチェックしておいて下さいね。
1:雇用保険に加入して12ヶ月以上働いている事
失業保険は、1年以上、働いていないと受給資格が得られません。
ただし、1年間ずっと連続で働かないとダメ…という訳ではなく、2年間の間に12ヶ月以上、雇用保険に加入している事が条件になります。
例えば、
2018年の1月~6月まで期間工として働き退職。
その後、2019年の1月~6月まで再び期間工として働き退職
このケースであれば、2年間(2018年~2020年)の間に合計12ヶ月、雇用保険に加入して働いているので、2019年6月に失業保険を申請する事が出来ます。
もちろん下記のようなケースでもOK。
・2018年の1月~12月まで期間工として働き退職
ただし、注意点が1つだけ。
勤務日数が11日以上ないと、その月は失業保険のカウントに入りません。
例えば1月20日に入社したので1月は10日間しか働いてない…といったケースになると、1月は1ヶ月分のカウントから除外されてしまうので注意して下さい。
1ヶ月でもずれてしまうと、失業保険は貰えません。
出来れば、余裕を持って13ヶ月働くと確実ですよ。
怪我や腰痛による退職なら6ヶ月でOK
怪我や腰痛などによって就労が出来なくなり退職した場合は、2年間の間に6ヶ月雇用保険に加入していれば失業保険が出ます。
期間工で多いケースとしては、腰痛でしょう。
ぎっくり腰などをやってしまって、やむを得ず退職する場合は、必ず病院で診断書を貰っておきましょう。
怪我による就労不能が認められると、6ヶ月の条件を満たしていれば失業保険が支払われますよ。
また、鬱病などの精神疾患になってしまい退職したケースでも同様です。こちらも診断書が必要になります。
期間工ですと、鬱病による退職はあまり聞かないですけどね。
2:受給制限について
失業保険は、普通に申請すると『3ヶ月間の受給制限』という制限がついてしまいます。
この制限がつくと、失業保険が実際に貰えるのは申請から3ヶ月経ってからになります。
例えば6月に失業保険を申請すると、実際に失業保険が振り込まれるのは9月から3ヶ月間…という事になってしまうのです。
失業保険をアテにしていたのに、振り込まれるまで3ヶ月も待機しなきゃいけないなんて、最悪ですよね。
「さっさと金寄こせ!バカタレ!」って感じですよ。
しかし、期間工なら『契約満了』まで勤めてから退職すれば、この制限は解除されます。
契約満了といっても最大の2年11ヶ月まで勤めないといけない訳ではありません。
メーカーによって契約期間は3ヶ月~6ヶ月毎と異なりますが、概ね満了慰労金が貰えるタイミングで契約更新するか満了で辞めるか選べます。
つまり、満了慰労金を貰えるタイミングで「契約更新はせず退職します」と言って辞めれば、契約満了による退職となり、やっかいな受給制限を回避することが出来るのです。
期間工は、この契約満了という条件を簡単に満たせるのが強いんですよね。
正社員や無期雇用の派遣ですと、契約満了のタイミングがないので、リストラや鬱病、倒産での退職でない限り、ほぼ100%受給制限に引っかかり3ヶ月待機する必要があります。
期間工は失業保険の受給のしやすさも合わせて『稼げる仕事』という訳なのです。
ただし、契約途中でバックレたり辞めてしまうと、契約満了ではなく自己都合による退職になるので、制限に引っかかります。
よほどの事情が無い限り、期間工を辞めるタイミングは契約満了時にしましょう。
契約途中で辞めた時のデメリット詳細はこちら。
・期間工を契約途中で辞めたらどうなる?ばっくれた時のデメリット
バックレや契約途中での退職でも、怪我や病気の診断書(腰痛・鬱病など)があれば受給制限ナシで失業手当がもらえます。
腰痛などで、契約途中で退職してしまった場合は、6ヶ月でOK・受給制限なしになるので諦めずに申請して下さい。
失業保険で貰える金額はいくら?増やす方法は?
失業保険で貰える金額は、退職するまでの6ヶ月間の給料(満了慰労金や手当を除く)の6割~7割ほどが貰えます。
私の場合、退職前の6ヶ月間の基本給は月25万円でしたので、失業保険で貰える金額は月16万ほどでした。
失業保険で貰える金額を増やすためには、退職する6ヶ月前から、残業や休日出勤を積極的に行い一月あたりの給料を増やすのが一番です。
満了慰労金などは計算に含まれませんが、残業代や休日出勤による割増賃金は加算されますからね。
期間工の場合、ざっくり月16万×3ヶ月貰える…と認識しておけばOKです。
失業保険を申請する手順
失業保険を申請する手順を解説します。
失業保険は、ハローワークで申請します。
この申請手続きをサボると1円も貰えないので、面倒くさい役所手続きですが、確実にこなしていきましょう。
まずは必要な持ち物について。下記の8つの持ち物が必要です。
・離職票-1
・離職票-2
・雇用保険被保険者証
・マイナンバー確認書類(マイナンバーカード、通知カード)
・身元証明書(運転免許証や顔写真付きの資格証明書)
・印鑑
・写真2枚(タテ3センチ、横2.5センチ、1枚は離職票-2の下部の写真貼付欄に貼る)
・本人名義の預金通帳
離職票は、退職後2週間ほどで会社から送られてきます。
なくしてしまった場合は、会社の総務に電話をして再発行をお願いしましょう。
雇用保険被保険者証は、退職時に貰えますが、これを失くしてしまった場合はハローワークで再発行をお願いしましょう。
離職票と雇用保険被保険者証は、失業保険に必要な書類と知らず、適当にポイして紛失しやすいので注意して下さい。
(私も何度か失くした経験があります…)
それ以外の持ち物で忘れやすいのが印鑑。100均の印鑑で良いので用意しておいて下さい。
マイナンバー通知カードを失くした方は、区役所に電話しましょう。再発行にそこまで時間はかかりません。
持ち物を1つでも忘れると、窓口で「持ち物が足りないので、また来て下さいね」と門前払いされるので、必ず持ち物は事前にチェックしてからハローワークに行きましょう。
ハローワークの窓口は、混雑していると20分~30分は待たされるので、忘れ物1つで門前払いされたら最悪ですよ。
私も何度かやられて、すごくイライラしました…。
ハローワークで失業保険の手続き!受給までの3ステップ
持ち物を揃えたら、自分が住んでいる管轄のハローワークに行き手続きをします。
ハロワの開庁時間は『平日の8:30~17:00』なので注意して下さい。
「失業保険の手続きをしたい」と窓口で言えば、スムーズに職員が手続きをしてくれます。
申請当日は、次回ハローワークに行く予定を伝えられ、「雇用保険受給資格者のしおり」を受け取って終了。
10日後くらいに『雇用保険説明会』がハローワークで開催されるので受講します。
そこから、さらに2週間ほど経って、ようやく第1回の失業認定日です。この日から1週間以内に1回目の失業保険が振り込まれます。
失業保険を受け取るまで、合計3回もハローワークに行く必要があります。
「あぁ~めんどくせえ!」とぶん投げたくなりますね。
ハロワが遠いと移動だけでもダルいですし、混んでるので待ち時間も退屈で、ぶっちゃけ最悪です。
「お役所仕事」ならではの面倒くささですが、失業保険をタダで貰うまでの我慢です。頑張って耐えましょう。
・失業保険を受け取るまで3ステップまとめ
1:申請手続き
2:説明会参加
3:失業認定日(失業保険の振込)
イメージしやすいように、実際に私が失業保険を受け取るまでの体験を具体的に紹介します。
受給までの具体例(私の体験談)
7月31日に退職。8月10日に離職票到着。持ち物が全て揃う。
8月17日にハローワークにて、申請手続き完了。
8月29日、雇用保険説明会に参加。失業保険の説明など退屈な説明会を受ける(2時間もある)
説明会で『雇用保険受給資格者証』を受け取る。
9月13日。第1回の失業認定日。
ハローワークに行き「失業認定申告書」に求職活動の状況等を記入。
「雇用保険受給資格者証」と共に提出。
9月16日、失業手当16万の振り込みを確認。よっしゃあ!
10月11日、第2回の失業認定日。この日までに求職活動を2回やってないと、ここで失業保険が打ち切られる(次項で説明)
10月17日、2ヶ月目の失業手当16万が振り込まれる。
11月13日、第3回(最終)の失業認定日。
この日までに新たに求職活動を2回やってないと、最後の失業手当が貰えない。
11月18日、3ヶ月目の失業手当16万が振り込まれ終了。
求職活動の実績について
後出しになって申し訳ないのですが、失業保険を3ヶ月満額受け取るためには、条件がもう1つあります。
それが求職活動の実績です。
1ヶ月に1回ある失業認定日までに、2回以上の求職活動をした実績を証明しないと失業保険が貰えません。
求職活動は、書類選考による応募、面接、ハローワークで開かれる講習への参加、ハローワーク窓口での就職相談などが実績として認められます。
ただ、期間工の場合
『就活なんてする気はない。とにかく失業保険だけ貰ったら次の期間工に行くわ』
という人が多いですよね。
そういう人にとって、この求職活動の実績作りは非常に面倒くさい。
そこで、なるべく手間や時間をかけない求職活動の実績作りを紹介します。
派遣会社に登録して、求人について電話相談する
一番簡単な求職活動の実績作りがこれ。
ネットで求人が見れる派遣会社に登録して、求人について電話相談する方法です。
基本的に、求人の問い合わせでは求職活動の実績にはなりませんが、仕事内容や勤務地、必要な資格、能力などを電話で問い合わせした場合は『就労の意思あり』と判断されて求職実績にカウントされます。
ノートやスマホのメモ帳に、問い合わせた企業名、求人ナンバー、問い合わせた内容などをメモしてハローワークの職員に証明出来るようにしておきましょう。
WEBエントリーをしてしまうと面接まで進んでしまうので面倒ですが、派遣会社に登録して求人を見て電話で問い合わせるだけなら楽勝です。
おすすめの派遣会社はテンプスタッフです。
テンプスタッフにWEB登録すると、派遣の求人を閲覧出来るようになります。
問い合わせの方法ですが、例えば下記のような求人を見つけたら、電話で問い合わせます。
▼ テンプスタッフの求人例
「夜間モニター監視とは、具体的にどんな仕事内容なのか?」
「働いている方の年齢層は?」
「長期希望とあるが、何ヶ月くらいの勤務を希望されているのか?」
こんな感じの質問をオペレーターに聞いて、答えをメモして終わりです。
ハローワークの窓口では
「仕事内容を電話で問い合わせたが、条件が合わず応募には至らなかった」
と伝えればOK。具体的な質問内容と回答は必ずメモしておきましょう。
私は問い合わせた電話履歴と問い合わせ内容のメモを渡していました。
ここまですれば、拒否はまずされないです。
ハローワークの窓口で就労相談する
ハロワで相談!これは、最もスタンダードな求職実績の作り方ですね。
ハロワの窓口で
「◎◎という仕事が希望なんだけど、どんな求人がある?」
「私の職歴だと、どんな業界がおすすめかな?」
など相談するのです。
応募まで進んでしまうと面倒なので、ふんわりとした質問をして、適当に相談して下さい。
求人を複数紹介されるので「持ち帰って検討してみる」と言って終わりです。忘れずに求職実績のハンコを貰ってくださいね。
ハローワークに出向いて、順番を待つので手間はかかりますが、最も確実な求職実績の作り方になります。
ハローワーク開催の講義を受ける
同じく、ハローワークで「自己分析講座」とか「面接のコツ」みたいな講義をやっている事があるので、申し込んでみましょう。
これも求職実績になります。
内容は役に立たない上にダラダラ長いので面倒ですが、受けるだけで一回分の求職実績をゲット出来るので、オススメです。
合同説明会や無料相談会に参加する
リクルートやしごとセンター、ヤングハローワーク、市役所による就職相談会などの参加も実績になります。
参加する際は、参加申し込みメールや、現地で頂いた冊子や求人情報を確保しておきましょう。
参加した証明がないと、拒否される可能性があります。
合同説明会や相談会なら、面接まで進む事はないので、誰に迷惑をかける事もなくエア就活が出来ます。
まとめ:コツを掴んで失業保険を手間なくゲットしよう!
いかがでしたか?
失業保険の申請は、慣れていないとメチャクチャ面倒くさいです。
ハロワで長時間待ったのに、持ち物を忘れて申請出来なかったり…。
求職実績をサボってしまい失業手当がパアになったり…。
しかし、コツを掴んでしまえばスムーズに受給出来ますので、ぜひ当記事を参考にして、失業保険を満額ゲットしましょう。
失業保険を満額もらったら、下記のランキング記事を参考に、次の期間工に応募しましょう。
・期間工の給料を比較。一番稼げるおすすめのメーカーはこれだ!
失業保険を3ヶ月以上貰う裏技『職業訓練校』について
最後に補足を1つだけ。
失業保険は3ヶ月しか貰えませんが、実は3ヶ月以上貰う裏技があります。それは、職業訓練校への参加です。
職業訓練校とは、ハローワークが民間企業に委託して行っている職業訓練です。
溶接やプログラミング、アプリ開発、簿記、語学など就職に役立つ講座を6ヶ月間、8時間×週5日のスクーリングで学ぶシステムです。
これに参加すると、学校に通っている間は『失業保険の延長』が認められます。
失業保険が切れる3ヶ月目に職業訓練校に参加すれば、そこから卒業まで6ヶ月間、追加で受給できるので合計で9ヶ月分も失業保険がもらえます。
職業訓練校への参加は無料ですから、役立つ講義を受けつつ月16万の不労所得を貰える…という神待遇になります。
期間工と相性が良い溶接学科もあるので、ここで溶接の資格をゲットすれば手に職を得ることが出来ます。
溶接部門がある小松製作所の期間工ですと、溶接ができれば日給14,400円稼げるので、ノースキルの期間工より効率的に稼げるようになります。
6ヶ月きっちり溶接を学べるので、未経験者におすすめです。
小松製作所の期間工情報はこちら。
【大阪】小松製作所の期間工は手に職つけたい人におすすめ!待遇と評判まとめ
溶接の資格について、詳しくはこちら。
・溶接の資格の取得方法まとめ。未経験から手に職をつけるなら溶接はオススメです
職業訓練校の注意点
ただし、職業訓練校の規約は厳しく、欠席が一定数で自動退学になり、その時点で失業保険は受け取れなくなります。
退学しても、職業訓練校に今後、参加出来なくなる以外のペナルティは無いですし、就職が決まっての退学ならノーペナルティです。
私はテキトーに職業訓練校に参加して、3ヶ月目あたりで期間工に応募して辞めました。
もちろん、正式に職が決まっての途中退学なのでノーペナ。失業保険もしっかり頂きましたよ。
職業訓練校は朝9時~17時までみっちり授業するのでキツいですが、失業保険を無料で延長できるのでオススメですよ。
ハローワーク経由で申し込めるので、気軽に窓口で相談してみて下さい。
アプリ開発など人気の講座ですと、入学試験(簡単な算数など)があるので注意です。